相続人の中に認知症の方や知的障害がある方などがいると、亡くなった方の財産をどう分け合うか話し合う遺産分割協議の際に、成年後見人を立てなければならない場合があります。
しかし、成年後見人の手続きは複雑で、必要な書類も多く時間がかかってしまいます。
成年後見人の手続き中は、遺産分割協議はストップしてしまうのでしょうか?
相続税の申告・納付は、亡くなった日の翌日から10か月以内にしなければなりません。
そのため、少しでも早く遺産分割協議を終わらせて、手続きに移りたいですよね?
※成年後見人について詳しく知りたい方は以下の記事を参照にされてください。
遺産分割協議はどのようにして行うの?
遺産分割協議とは、他界した方の財産をどのように分けるのかを話合うことです。詳しいことは以下の記事を参考にされてください。
しかし、内容が分かったところで、協議をどのようにして行えばいいかわからない、という方は多いですよね?
遺産分割協議と聞くと、ドラマや映画などでは1つの部屋に相続人全員が集まり、亡くなった方の財産について話し合ったり、喧嘩をしたりしている印象が強いです。
しかし、実は遺産分割協議には決まった方式はありません。
そのため、電話やメールなどでも行うことができます。
確かに、1つの部屋に集まり相続人全員で話し合う方が効率は良いですが、遠方に住んでいる方などがいると全員が1箇所に集まることは非常に難しくなってしまいますよね?
電話やメールなどであれば、相続人同士が離れて暮らしていたとしても連絡を取り合うことができ、円滑に遺産分割協議を進めることができます。
また、代表者の1人が亡くなった方の財産の分け方を提示した上で、他の相続人から同意をもらうといった方法でも遺産分割協議を行うことができます。
成年後見人の手続き中でも遺産分割協議を進めていてよい
現実的に考えると、成年後見人の手続きが終わった後に遺産分割協議を開始するのは、時間的にも余裕がなく非常に難しいです。
そのため、成年後見人の手続き中でも、遺産分割協議を他の相続人全員で進めておいてもよいでしょう。
遺産分割協議では、必ずしも1箇所に相続人全員が集まらなくて良いため、相続人それぞれで話し合いを進めておいて、最終的に相続人全員の同意をもらうことができれば良いのです。
しかしその際に、議事録やメールの文章は証拠として残しておくべきです。
誰とどんなやり取りがされたのか分からない場合は、後々のトラブルに発展する恐れがあります。
そのため、誰とどんなやり取りがされたのかわかるような経緯を残しておきましょう。
また、あまりにも認知症や知的障害のある方にとって不利になるような遺産の分け方は、 成年後見人の同意を得ることはできない可能性が高いです。
遺産分割協議をスムーズに進めたいのであれば、成年後見人の同意を得ることをできるような公平な遺産分割の仕方を提示しましょう。
トラブルを避けたいのであれば専門家に相談すべき
相続人の中に認知症や知的障害のある方がいる場合、遺産分割協議ではトラブルが起きやすいです。
その理由として、他の相続人が勝手に遺産分割を進めてしまい、成年後見人の同意を得ることができない不公平な遺産分割をしてしまうからです。
そのような場合は、初めから遺産分割協議をやり直さなければならないため、また時間がかかってしまいます。
しかし、どのような遺産分割の仕方が公平か不公平かということは、相続の知識がなければ分からないですよね?
認知症や知的障害のある方に負担をかけまいとした遺産分割の仕方が、実は不公平だったということもあります。
そのため、遺産分割協議をスムーズに行うためにも、まずは専門家に相談することをおすすめします。