「将来、相続税がどれくらいかかるのか不安だ」、「なるべく相続税を納めたくない」という方もいるかと思います。
相続税を抑える方法としては様々な特例制度を活用するという方法もありますが、贈与税の暦年課税という制度を利用する方法もあります。
贈与税の暦年課税という言葉はあまり聞き慣れない言葉かと思います。
一体どのような制度で、どのような活用方法があるのでしょうか?
贈与税の暦年課税制度とは?
贈与税の暦年課税とは簡単にいえば「年間110万円までの贈与なら贈与税がかからない」という制度です。
人にお金やものを贈与すると、贈与した物の価値により贈与税が課せられます。
しかし、贈与税の暦年課税により年間110万円までなら贈与税を課されることはありません。
この110万円のことを基礎控除とも呼びますが、この基礎控除は贈与者や受贈者などの年齢や関係などの制限がありません。
一年間の贈与の回数にも制限がなく、何人かの子供に対して贈与することも可能です。
暦年課税の活用方法
贈与税の暦年課税を利用することにより、相続税を節税することができます。
一年間の間に110万円まで贈与することができるので、相続開始までに時間がある方にとってはとても有効な方法です。
例えば、自分の子供に対して毎年100万円ずつ贈与を20年間繰り返すと、相続財産を2,000万円減らすことができます。
また、あげる相手が多い方にも有効な方法です。
例えば子供が5人いる場合は、毎年5人の子供に100万円ずつ贈与を5年間繰り返すと、相続財産を2,500万円減らすことが可能です。
あげる相手が多い場合には、相続開始までに時間が少ない場合でも、速いペースで相続税対策を進めることができます。
しかし、贈与税の暦年課税を使うにあたり注意点もあります。
相続開始前の3年以内にされた贈与は相続財産に含まれてしまいます。
また、 贈与税の非課税が否認されないためにも、贈与を行う際は「贈与契約書」を作成したり、贈与した証拠が残るように現金で渡すのではなく銀行振り込みを利用した方が良いです。
多くの方が、相続した際に無駄な税金を納めたくないと思っていることでしょう。
贈与税の暦年課税を利用する対策は、相続においてとても有効な方法となります。
しかし、大きな効果を得るためには長い年月が必要なので、早いうちから対策を取っておくことにしましょう。