最近、テレビではお墓のことや相続の事などが話題となっています。
しかし、相続財産の取り分のことなどは取り上げられていますが、財産を受け継いだ場合に払わなければいけない相続税のことはあまり取り上げられていませんよね?
亡くなった方の財産を引き継いだときには、相続税というものを払わなければなりません。
ただ相続税と言ってもといまいちピンとこなかったり、家には大した財産もないし相続税は関係ない、と思っている方も多いかと思います。
そもそも、財産を受け継ぐだけでなぜ相続税を払わなければいけないのか、相続税とはどんな税金なのでしょうか?
相続税とはどんな税金
相続税とは亡くなった方の財産を引き継ぐとき、つまり相続が発生した時に払わなければならない税金のことです。
そこで疑問が生じるのは「財産を引き継ぐとはどういったことなのか」という点です。
一般的に財産と聞くとお金や貯金だけだと思いがちですが、相続税の課税対象となるのは、お金や貯金のほか、家、車、土地、株式や手形などの有価証券も含まれます。
つまり、亡くなった方の持っていたものや、亡くなった方の名義となっていたもの、すべてが相続税の課税対象となるのです。
田舎の方は、田んぼや畑、山などを持っていますが、それらも全て相続税の課税対象です。
相続税は自分に関係ないと思っていた方でも、相続税の課税対象となる財産を計算すると、思っていた以上に大きな金額になり、相続税を納めなければいけない場合が出てきます。
相続税は他の税金と同じくお金を徴収し富を再分配する制度
そもそも、なぜ財産を受け継いただけで相続税を払わなければいけないのか、と大勢の方が疑問に思っていることでしょう。
相続税は、他の税金と同じようにお金を徴収し富を再分配するという制度です。
相続税を徴収せず、そのままにしておくと、お金持ちの家系は一生お金持ちのままで働かずに暮らしていくことができます。
生まれた家庭により、一生遊んで暮らせる人と、一生懸命働いても生活が苦しい人とでは不公平に感じますよね?
そこで、多くの財産を持っている人からは多く税金を徴収して富を再分配しよう、という制度が相続税ということになります。
「うちはそんなに多く財産を持ってないから相続税を納めなくてもいいかな」 と安心している方もいると思いますが、平成27年の法改正により相続税の対象者となる方が、なんと2倍近く増えました。
それにより、自宅を持っている、投資目的の不動産がある、という方も相続税の対象者となる可能性があります。
相続税は亡くなった方でなく財産を受け継いだ方が払わなければならない
では一体、相続税は誰が払うのでしょうか?
相続税を払わなければいけないのは、亡くなった方ではなく残された方です。
亡くなった方の財産を受け継いだ方が、相続税を払わなければなりません。
財産を受け継いだ方のなかには親族だけでなく、遺言などで財産を受け継いだ親族以外の方も含まれることになります。
しかし、財産を受け継いだからといって、必ずしも全員が相続税を払うことにはなりません。
相続税には基礎控除や配偶者控除など様々な控除制度が取り入れられています。
そういった制度をうまく使えば、相続税を払わなくてよい方もたくさん出てくるので安心してください。
相続税の申告・納税には10ヵ月という期限がある
「相続税を納めなければいけないけど、まとまったお金が準備できないからまだ払わなくていいか」
そのように思う方もたくさんいますが、実は相続税には支払い期限というものがあるのです。
相続税は、亡くなった日の翌日から10ヵ月以内に納めなければいけません。
先ほど、相続税には様々な控除制度があると説明しました。
配偶者控除や小規模宅地の特例といったような様々な控除制度を適用すれば、相続税が0円になるという方も10ヵ月以内に税務署に申告しなければいけません。
どんな控除制度を適用した場合に相続税を申告しなければならないのか、ということが不安であれば、一度税務署や税理士に相談することをおすすめします。
財産を受け継いだのに手元には1円もお金が残らないこともある
せっかく財産を受け継いだのに、相続税を納めることになり手元には1円もお金が残らなかった、というようなこともあります。
財産を受け継いだのに、手元にはお金が1円も残らないということはどういうことでしょうか?
その理由は相続税の支払い方法に原因があるのです。
相続税は基本的には現金で納めなければなりません。
しかし、残された財産が家や畑など現金でなかった場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、家や畑などを売って現金に変えて相続税を納めなければなりません。
相続税の支払い期限は、亡くなった次の日から10ヵ月なので、10ヵ月以内に残された財産を現金化しなければならないことになります。
不動産はなかなか買い手がつかないことも多く、特に田舎の土地は売りたくても売れません。
その場合は、貯金を切り崩すか、最悪の場合は、残された財産を受け継ぐことなく放棄しなければならないという事態に陥ります。