夫婦2人で年金暮らしの生活費、1ヶ月分の目安はどのくらい?

コラム

リタイア後、子供も独立して夫婦2人の年金で暮らす場合の生活費。

現役時代を比べて月々の暮らしとコストがどのように変わるのか、どれくらいの金額を想定しておけば良いのか、気になりますよね。

今回のコラムでは、老後の生活費の考え方をご紹介します。

老後の生活費、統計調査では・・・


生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」(令和元年度版)を見てみましょう。

夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費の平均額は月額で 22.1 万円となっています。
分布では「20〜25万円未満」が29.4 %と最多、ついで「30〜40万円未満」(17.0 %)、「25〜30万円未満」(13.1 %)の順に多くなっています。(N:4,014)

また、同じ調査において「経済的にゆとりのある老後生活を送るための費用」として、最低日常生活費以外に必要と考えられている金額の平均は、月額で14.0万円となっています。

最低日常生活費22.1万円+ゆとりある生活のための費用14.0万円=36.1万円

となるため、夫婦2人で経済的にゆとりのある老後生活を送るには、月額36.1万円程度が必要な計算になります。

2人分の公的年金だけで36.1万円をまかなうのは一般的には厳しいでしょう。

統計はあくまでも参考。我が家の場合を考えてみましょう


とは言え、先ほどの調査は全国を対象にしており、何かと生活費や税金などが高額になりがちな大都市圏も含めた数字です。
地方住まいで持ち家があるケースなどでは、そもそも現役時代から月々の生活費に36.1万円もかかっていないという人も多いでしょう。

また、生活にかかるコストは人それぞれ。

家や車、食費や趣味にどのくらいお金をかけるかによっても、必要な生活費は大きく変わります。
まだ現役で仕事をしているという人でも、引退後にはどの程度の生活費が必要か、一度計算してみると良いでしょう。

リタイア後に変わる生活費とは


リタイア後に夫婦2人で暮らす場合、現役時代と支出のあり方も変わってきます。

老後はそんなにお金を使わないのでは、とイメージしがちですが、すべての支出が減る訳ではありません。

仕事にかかる費用(通勤用のスーツや靴、業界紙の購読費)などがかからなくなる一方で、退職後には時間ができるため、交際費や趣味にかかる費用が増えがちです。
国民健康保険料が必要になるほか、年齢とともに持病が出てくるなどして医療費が多くかかってくることも考えられます。

また、子供や孫への援助の資金も必要かもしれません。
結婚・家の新築・進学などに伴うまとまった資金援助の予算を別立てで確保していたとしても、普段の生活の中で子供たちにおいしいものを食べさせたい、
孫におもちゃを買ってあげたい、という時もありますよね。

ちょっとした支出とは言え、家族への援助は老後の大きな楽しみ。費用として想定しておいた方が良いでしょう。

このように、老後の生活費を考えるには、さまざまなライフスタイルの変化を考慮に入れる必要があります。

公的年金で足りない差額がどのくらい発生するのか、ざっくりでも良いので実際に計算してみることで今後の戦略が立てやすくなります。

ファイナンシャルプランナーなどプロの力を借りるのもひとつの手段。資金計画について、早めに家族で話し合っておきたいですね。

*2020年5月現在の情報です。最新の法律・条例・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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