R 60歳時記:山の日

コラム

8月11日は「山の日」。
2016年1月1日施行の改正祝日法(国民の祝日に関する法律)によって定められた、かなり新しい「国民の祝日」です。

何となくお盆休みと続く休日になっているけれど、どのような日なのか実はよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、知っているようで知らない「山の日」について調べてみました。

「山の日」とは

高速道路や在来線などを通って旅していて、日本は山ばかりだなと感じたことはありませんか。

日本の国土の67%を占めているのが森林であると言われています。山は、古くから私たち日本人の暮らしと密接に結びついてきました。

山は雨水を蓄え、深い森やたくさんの動植物などの豊かな恵みをもたらすと同時に畏怖される存在でもあり、信仰の対象とされてきました。

都市化が進んだ現代では、暮らしの中で日常的に山に入ることは減っています。そんな中で、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する祝日として「山の日」が設定されているのです。

国民の祝日としての山の日が制定される前から、複数の府県で独自の「山の日」が作られていました。

一方で、1996年に「海の日」が国民の祝日になったことにより、「山の日」も作りたい!という機運が一気に高まります。

日本山岳協会など複数の関連団体や超党派の議員連盟などの動きも活発になり、2014年の「山の日」の発足に至りました。

なぜ8月11日なのか

海の日が「7月の第3月曜日」で毎年日付が変わるのに対し、山の日は8月12日で日付が固定されています。

この日が選ばれるまでには、紆余曲折がありました。もともとは

・登山やトレッキングなど山のレジャーなどに親しみやすい季節

・お盆休みと続けてまとまった休みが取りやすい日

という観点から、8月12日とする案で調整が進んでいました。

しかし8月12日が日本航空123便墜落事故(いわゆる日航機墜落事故)が発生した日と同じであることから、見直しを求める声が上がります。
墜落した場所が御巣鷹の尾根、つまり「山」であったことを懸念する意見が多かったと言われています。

最終的には1日前倒しして、8月11日で決定しました。

そのため、日付そのものには山の日に関連した意味合いはないと言われています。それでも漢字の「八」は山の形に見え、「11」は木々が立ち並ぶ豊かな森を想起させることから、どちらも山に関連付けられるイメージがありますね。

2020年の山の日は、ちょっと例外

通常であれば毎年8月11日である山の日ですが、今年2020年だけはちょっと特殊。

東京五輪・パラリンピック特措法により、1日ずらして8月10日(月)に変更されています。
この日は、もともと東京オリンピック閉会式の翌日にあたる日。とは言え新型コロナウイルスの影響で東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されたため、実際にはオリンピックに関連はありません。

現状では、延期されたオリンピックの日程に合わせて2021年についても山の日を移動させる方向で調整が進んでいます。来年のカレンダーがどのようになるのか、興味深いですね。

今年は山に関する大規模なイベントなどはあまり行われないことが予想されますが、せっかくの「山の日」。

健康維持を兼ねて身近な山を眺めたり散策したり、山に親しむちょっとした機会を作ってみるのも良いかもしれませんね。

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