季節の変わり目をあらわす日として設けられている「雑節」。
今日ご紹介するのはそんな雑節のひとつ「入梅(にゅうばい)」です。
2020年の入梅は6月10日(水)。どのような節目にあたるのか、調べてみました。
入梅とは
「入梅」は、その名のとおり梅雨入りの頃で、太陽の黄経(こうけい=天球上の経度にあたるもの)が80度に達する日とされています。
現在の暦であるグレゴリオ暦では6月11日ごろにあたります。
太陽の黄経が80度になる日と言われても、何となく太陽の高度が上がって真夏が近そうな感じはありますが、具体的なイメージはなかなか湧きづらいですね。
とはいえ古くから入梅は、梅雨入りを前もって知るために重要な節目であったと言われます。
梅雨入りは田植えの日取りを決めたり、畑でさまざまな作業をしたりするのに大きな影響を与えるもの。
暦で決まる入梅と、実際に梅雨入りする日にちは必ずしも一致しませんが、農家にとっては大切な目安になっていたと言います。
梅雨入りの時期は、地域によって違う
梅雨入りとひとくちに言っても、地域によってそのタイミングは大きく異なります。
たとえば、沖縄など南西諸島エリアでは梅雨入りは日本で最も早く、5月上旬ごろから。
5月下旬から6月上旬ごろには、奄美群島を経て九州地方まで梅雨前線が北上してきます。
関東では6月半ばから下旬ごろが梅雨入りになりますね。
ただし北上を続ける梅雨前線の影響が及ぶのは、東北地方あたりまで。北海道には梅雨がないと言われるのはこのためです。
気象庁のデータによれば、熊本県を含む九州北部の梅雨入りは、平年並みの場合は6月5日ごろ。とは言え、梅雨前線の動きは年によって大きく異なります。
2019年は九州北部の梅雨入りが遅く、6月26日と発表されたことが印象的でした。
なお、九州北部の梅雨明けは、平年並みの場合は7月19日ごろとされています。今年はどのような梅雨になるのか、気になりますね。
梅雨の時期に旬なものとは
梅雨という名称の由来は、「梅の実が熟す時期に降る雨であるから」とする説があります。
確かに、スーパーや直売所、八百屋などでも青梅が売られるようになってきました。自家製の梅酒や梅シロップなどを作る楽しみがありますね。
赤紫蘇も旬になるので、自家製のしそジュースを作るのにも良い季節です。
また、熊本で言えば6月はメロンの美味しい時期でもありますね。
ともすると憂鬱な気持ちになりがちな梅雨ですが、田畑の農作物にとっては恵みの雨。
洗濯物を乾かすのが大変だったり、室内の湿気対策が必要だったりするものの、雨が少なすぎても私たちの暮らしは立ち行かなくなります。
しっとりとした雨もまた趣があって良いものだなあと、余裕を持って梅雨時を過ごしたいものですね。