9月の旬の食材:秋刀魚(さんま)

コラム

日中はまだまだ残暑が厳しくとも、朝晩などに季節の移ろいを感じ始めるのが9月の初めごろではないでしょうか。

旬の食材にも変化が訪れます。スーパーの鮮魚コーナーに並ぶ「さんま」を見ると、秋を感じますよね。

今回のコラムは、9月に旬を迎える秋刀魚(さんま)についてお話しすることにしましょう。

さんまの基礎知識

さんまは北太平洋に広く生息する魚です。成魚では体長40センチほどになり、細長い形が特徴です。

季節によって広い範囲を回遊する魚として知られており、夏の生息域であるオホーツク海から、秋には寒流(親潮)に乗って徐々に南下してきます。

水揚げ量は北海道を筆頭に、東北地方の太平洋沿岸が上位を占めます。熊本の魚売り場でも「北海道産」という表記をよく見かけますよね。

落語の「目黒のさんま」などにも見られるように、さんまは古くから日本人の食生活に欠かせない魚です。全国各地で「さんま祭り」が行われるなど、現在も庶民の味覚として親しみを込めて愛されています。

さんまの旬はいつ?

北海道では、7月ごろからさんま漁が始まります。

初物として注目されることはあっても、まだこの時期はそれほど脂が乗ってはいません。

さんまが最もおいしい時期をむかえるのは、8月末から10月ごろにかけてと言われています。庶民的なスーパーの鮮魚売場に、特売のさんまが並ぶのもこの時期でしょう。

9月に入り、旬になるにつれて価格も下がってきます。安く購入できる上に脂も乗っておいしくなるのですから、やはり旬の時期にいただきたいものです。

最近では、不漁によりさんまの価格が高騰することもあります。2020年も、やや不漁気味と言われているのが気になりますね。

さんまのおいしい食べ方

旬を迎えたさんまのおいしい食べ方と言えば、やはり塩焼きが一番人気。

香ばしい焼き目のついたさんまに大根おろしをたっぷり添えて、カボスやスダチなどをきゅっと絞っていただく。白米にもビールにも合う、秋のごちそうです。

おいしいさんまは身の長さよりも、太さを見ると良いと言われています。太さ=脂の乗り具合、と考えると良いでしょう。なるべく身の太い物を選んでください。

また最近では、季節を問わず楽しめる「缶詰」のさんまにも注目が集まっています。蒲焼や煮付けなどがあり、そのままおつまみにいただくほか、丼の具材にしたり卵とじにしたりと、さまざまなアレンジが可能です。

手軽に食べられるだけでなく、備蓄品としても使える缶詰。ストックしておくと何かと便利で安心ですよ。

気になる栄養価は?

旬の味覚であるさんまには、どんな栄養価があるのでしょうか。

必須アミノ酸をバランス良く含んだ良質なタンパク質が取れるほか、注目すべき成分はEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)。

EPAは血液をサラサラにする成分で、動脈硬化を予防すると言われています。
DHAは頭が良くなる成分として一躍有名になりましたが、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果も期待できます。

そのほか、貧血予防に効果的な鉄分も豊富です。

R60世代としても、積極的に取りたい成分がたっぷり含まれていると言えそうです。

安くておいしい上に、栄養価も高いさんま。旬の時期にぜひ味わいたいものですね。

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