小さな旅:長崎の中国式寺院「崇福寺」

特集

今回の「小さな旅」の舞台は長崎。

グラバー邸に大浦天主堂、新地中華街、稲佐山の夜景など、決して広くはない土地にたくさんの見所が詰まった街です。

今日はその中でも、独特の異国情緒たっぷりの「長寿山 崇福寺(そうふくじ)」をご紹介しましょう。

路面電車でその名も「崇福寺行き」に乗り、終点で降りればOK。気軽に訪ねられる寺院です。

「長寿山 崇福寺」とは

崇福寺は寛永6(1629)年に創建された、黄檗(おうばく)宗の古刹。

中国の明朝時代の建築様式によって建てられた禅寺で、徹底的に中国式です。

長崎に住んでいた福州地方出身の唐人たちは、故郷の信仰を守ろうとしたのでしょう。招聘した超然(ちょうねん)禅師によって開かれました。

一説には、禁教時代だからこそキリスト教徒でないことを示すために、自分たちの信仰を示す寺を建てる必要があったとも考えられています。

まるで竜宮城と評される、入り口に立つ三門。何ともエキゾチックな雰囲気ですね。国指定重要文化財でもあります。

中に足を踏み入れると、そこは本当に中国の寺院にいるような趣。大雄宝殿のほか、「媽祖(まそ)堂」があるのも崇福寺の特徴のひとつです。

媽祖は海を司る神様と言われ、台湾や香港、ベトナムなど東アジアから東南アジアの沿岸部にかけて広く信仰を集めてきました。

長崎もまた当時のアジア有数の海洋都市であり、媽祖に航海の安全を祈る人々が多かったのかもしれません。

現代の私たちも、媽祖堂にお参りしたら、旅の安全を祈願しておくのも良いですね。

中国寺院でも御朱印、あります

徹底的に中国式の崇福寺ですが、ちゃんと御朱印もあります。

授与所ではなく売店に置いてありますので、お店の方へ声をかけてみてください。置き書きの御朱印に、日付を入れて手渡されます。

お土産品や仏具と共に売られていますが、ちゃんと住職の許可を経て置かれているオフィシャルな御朱印ですので、安心していただきましょう。

他にも韋駄天の像や大きな魚をかたどった吊り下げ型の木魚など、黄檗宗の寺院らしい見所がたくさんある崇福寺。

参拝に訪れる人はそれほど多くないため、比較的落ち着いて過ごせることが多いのも魅力です。

メジャーな観光地にはもう行ったことがある、という旅慣れたR60世代にこそオススメしたいスポットです。

 

【崇福寺】

所在地: 長崎県長崎市鍛冶屋町7-5

開門時間: 9:00〜17:00

拝観料: 大人300円(2020年12月現在)

アクセス: 路面電車「崇福寺」電停より徒歩3分

 

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