相続が争族にならないように。兄弟の仲は大丈夫?

相続知識

親の相続に際して、兄弟間でもめるのは避けたいものですよね。

うちは子供の頃からずっと、兄弟みんな仲が良いから大丈夫!と思っていませんか。

長い人生には色々な出来事があります。全員が経済的に安定した暮らしをしているし、相続のお金でもめることはないだろうと思っていても、兄弟の誰かがリストラや事業の失敗などで苦境に立たされ、状況が変わる可能性もあるのです。

兄弟間だけでなく、配偶者どうしの仲も大丈夫?

また、兄弟間では仲が良いつもりでも、その配偶者どうしの仲まで広げて見るとどうでしょうか。

配偶者どうしの折り合いが悪く、いつのまにか何となく兄弟まで疎遠になっている、という人もいるかもしれません。

たとえば、同居していた次男のお嫁さんが長年にわたって親の介護をしていた場合の相続などは要注意。

親の口座から介護費用を支払って、きちんと自分たちの家計とは分けて管理していたはずなのに「母の口座残高が少なすぎる!自分たちの生活費に使っていたのでは?」と長男夫婦から邪推される、というようなケースもあります。

やっとの思いで介護を終えたところに、兄嫁から責められたお嫁さんは怒り心頭。
これでは穏やかに話し合うのは難しいかもしれません。

日常生活の中で、さりげないコミュニケーションを。

小さい頃には仲良く遊んでいても、年齢を重ねるごとに兄弟間の距離は離れがちかもしれません。それでも、いざという時にもめないためには、普段からのコミュニケーションが大切です。

身内だからとついつい甘えていませんか。何でも分かっていて遠慮のいらない身内だからこそ、一度こじれると厄介!とも言えるのです。

仕事の都合や結婚などで、遠く離れた場所に住んでいることも多いもの。
親には時々会いに行っているけれど、兄弟と顔を合わせるのはせいぜい年に1度くらい、という人も珍しくないでしょう。

あえてちょっとしたことで自分から連絡を取ってみたり、親へのプレゼントを共同で贈って一緒に親孝行したりするのも良いかもしれません。

異母兄弟がいるケースでは

また、ふだんあまり交流のない「腹違いの兄弟」がいるケースでは、さらに違った注意が必要になることも。

異母兄弟、異父兄弟であっても相続権は発生します。たとえば亡くなった父親に前妻とその子供がいた場合。異母兄弟(半血兄弟)も相続人になり、現在の妻の子供が持つ2分の1にあたる相続分を持つことになります。(前妻には相続権はありません。)

連絡先すらもあやふやな異母兄弟、異父兄弟への連絡だけでも一苦労。葬儀が終わっても親の死を悲しむ時間もなく、相続の手続きに追われる可能性もあります。

異母兄弟がいる場合は、親が元気なうちにそれとなく相続に関する考えを聞いたり、連絡先を確認したりといった対策を少しずつとっていけると良いでしょう。死別や離婚、婚外子などはデリケートな話題かもしれませんが、後になって後悔したり困ったりしないように、家族で話し合っておきたいものです。

兄弟の事情は家庭によりさまざまです。相続でもめないために、生前の関係性をいかに作っておくか、一度考えてみてはいかがでしょうか。

*本文中の「兄弟」は、姉妹や姉弟、兄妹など、さまざまな兄弟構成を含んだものです。

*2020年4月現在の情報です。最新の法律・条例・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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